Buildee(ビルディー)で作業員を現場に入れるとき、作業員名簿の準備とあわせて必要になるのが「送り出し教育」の実施と記録です。
——本記事では、送り出し教育とは何かという基本から、Buildee上での実施日の入力方法、元請へ提出する実施報告書・個人票の作成方法、そして教育が法的に義務付けられている根拠までを解説します。
送り出し教育とは?
作業員が新しい現場に入る前に、下請会社側で行う安全教育のことです。現場入場時に元請会社が行う「新規入場時教育」とセットで実施することで、労働災害の防止を図る仕組みになっています。
Buildeeではこの教育を実施した日付を入力することで、実施記録として残せます。
送り出し教育実施報告書の提出方法
作業員を現場に組み込んだら、次は送り出し教育の実施日を登録します。
「送り出し教育:未実施」で絞り込むと、まだ実施日が入っていない作業員だけを一覧にできます

つかだ「ユーザー一覧」からアカウント設定を確認できますが、この項目の変更は上位の企業管理者アカウントのみ可能ですので、担当者に依頼してください。
「安全書類」アイコンの設定の手順は02:10あたりから!


一覧には氏名・次数・会社名・工事内容・職種・役割・生年月日/年齢が表示されます。複数人まとめて選択できます

ダイアログが開き、「送り出し教育実施年月日」(必須)を入力します。
初期値は当日日付が入っているので、過去に実施した分を登録するときは日付を修正してください

この検索画面は「期限切れチェック」にも使える
この画面の検索条件は送り出し教育以外にもかなり充実していて、提出前の不備チェックとして使うと非常に便利です。

| 絞り込み条件 | チェックできること |
|---|---|
| 健康診断・特殊健康診断 | 期限切れ/期限切れ間近(1ヶ月前)の作業員を抽出できます |
| 血圧 | 高血圧(最高140以上・最低90以上)/低血圧(最高100以下・最低60以下)の該当者を抽出できます |
| 未加入の社会保険 | 健康保険などが未加入の作業員を抽出できます |
| 会社種別 | 一人親方・個人事業主を絞り込めます |
| 入場状況 | 入場中/未入場で絞り込めます |
| 年齢 | 年少者・高齢者の該当者確認に使えます |
「健康診断:期限切れ間近(1ヶ月前)」で月に1回検索するだけで、健診切れによる差戻しをかなり防げます。名簿提出のたびに指摘される会社は、ぜひこの運用を試してみてください。
つかだ健診切れは提出直前に発覚すると本当にどうにもなりません。先回りで検索するのが唯一の対策です

Buildeeの「送り出し教育実施日報告書」の作成・提出
送り出し教育を実施したら、まずBuildee上に実施日を記録します。そのうえで、記録した内容を元請へ提出する書類を用意します。この提出書類には2つの形式があり、どちらを使うかは元請の指定によって決まります。
形式①:新規入場時等教育実施報告書(標準様式第7号)
複数の作業員が同じ日に同じ内容の教育を受けたことをまとめて報告する、グループ形式の書類です。
実施日時・実施場所・教育方法・教育内容・講師名と、受講者の氏名一覧を1枚にまとめます。

Buildeeでは「Buildee労務安全」の左メニュー「その他書類の確認・提出」>「新規入場時等教育実施報告書」から作成・提出します。

画面は「書類状況一覧」と似た構成で、「自社が作成・提出する書類」(自社分)と「自社が確認を行う書類」(下位協力会社分、次数ごとに一覧表示)に分かれています。
各行に提出状況(未提出・受領済など)が表示され、下位協力会社の分も含めてExcelで出力できます。

実施日・教育内容・入場者などの情報を入力します。


形式②:新規入場者調査票(個人票)
作業員1人ごとに、氏名・生年月日・住所・緊急連絡先・血液型・健康診断の受診日と血圧・労災保険特別加入の有無・保有資格などを記載する、個人単位の詳細な調査票です。





操作は「その他書類の確認・提出」から該当の個人票メニューを開き、氏名・職種・出力状況(未出力/出力済/すべて)で対象を絞り込んでチェックを入れ、「ダウンロード」でExcel形式で書き出す流れです。
どちらの形式を使えばいいか
判断基準は「その他書類の確認・提出」に個人票専用のメニューが表示されているか・元請から指示があるかです。
| 状況 | 使う書類 |
|---|---|
| 元請が設定した個人票専用メニューが表示されている | その元請は個人票(形式②)を求めている。個人票を作成すれば、実施報告書(形式①)は不要 |
| 個人票専用メニューが表示されていない | 実施報告書(形式①)か個人票(形式②)で提出するか元請に確認する |
つかだ個人票のメニューは元請会社ごとに現場単位で用意されるため、現場を切り替えるとメニューの有無や名称が変わります。迷ったら元請の担当者に確認するのが確実です。
法的根拠
送り出し教育の実施は、「法律 → 省令 → 指針・業界慣行」の3つの層で根拠づけられています。それぞれ順番に見ていきましょう。
法律:労働安全衛生法第59条(教育の実施義務)
大元の根拠は労働安全衛生法第59条です。同条は雇入れ時の安全衛生教育を義務付けており、第2項でこれを「作業内容を変更したとき」に準用しています。
作業員が新規の現場に入場することは、この「作業内容変更時」に該当すると解釈されており、作業員を送り出す協力会社(雇用主)側に教育の実施義務があるとされています。
労働安全衛生法 第五十九条(安全衛生教育)
事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
省令:労働安全衛生規則第35条(教育すべき内容)
「では、何を教育すればいいのか?」の答えは労働安全衛生規則第35条にあります。
雇入れ時・作業内容変更時の教育で取り上げるべき事項として、次の8項目が定められています。
- 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法
- 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法
- 作業手順
- 作業開始時の点検
- 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防
- 整理、整頓及び清潔の保持
- 事故時等における応急措置及び退避
- 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項
「送り出し教育」という言葉はどこから来たのか
実は「送り出し教育」は法令上の用語ではありません。上記の「作業内容変更時の教育」を、建設業界で現場入場前の教育として運用する中で定着した実務上の呼び名で、現在は厚生労働省の安全衛生教育教材でも使われています。
その背景にあるのが、厚生労働省(旧労働省)が平成7年に示した「元方事業者による建設現場安全管理指針」です。この指針では、新規入場者教育の実施主体は関係請負人(協力会社)とされ、元請会社はその援助と実施状況の把握を行う、という役割分担が示されています。作業員を現場に「送り出す」協力会社側にも教育の責任がある、という考え方はここにつながっています。
| 位置づけ | 根拠 | 定めている内容 |
|---|---|---|
| 法律 | 労働安全衛生法第59条 | 作業内容変更時(=新規現場入場時)の教育実施義務 |
| 省令 | 労働安全衛生規則第35条 | 教育すべき8項目の具体的内容 |
| 指針・慣行 | 元方事業者による建設現場安全管理指針(平成7年)など | 協力会社が入場前教育を担う役割分担。「送り出し教育」として実務に定着 |
グリーンサイトが実施日の入力を求めているのは、この法定義務が実際に履行されたことを記録に残し、元請・協力会社双方の安全管理責任を可視化するためです。送り出し教育実施報告書(紙の書類)とグリーンサイト上の登録日の整合性が確認されることもあるため、実際の教育実施日と揃えて入力しておくことが大切です。
まとめ
送り出し教育は、「実施日をBuildeeに記録」→「元請へ実施報告書または個人票を提出」という2段階で完了します。
- 実施日の記録は「配下作業員検索(送り出し教育)」から、複数人まとめて入力できる
- 提出書類は「実施報告書」と「個人票」の2形式があり、併用ではなく元請の指定で決まる
- 個人票専用メニューの有無で、どちらを使うか判断できる
- 個人票の記載内容は作業員一覧に登録済みのデータがそのまま反映される
- 送り出し教育の実施義務は労働安全衛生法第59条に根拠がある
つかだ健診切れや実施日未入力は、提出直前に発覚すると手遅れになりがちです。月1回の先回り検索を習慣にしておくと、差戻しをかなり減らせます。




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