【2026年7月改正】経審のCCUS加点が15点→10点に|自主宣言制度で5点を取り戻す

「経審CCUS加点変更」「重要な『自主宣言制度』とは?」と書かれたアイキャッチ画像。本棚のある部屋で本を開いた人物が人差し指を立てて解説しており、吹き出しに「2026年7月施行!未対応は点数を損します」と書かれているイラスト
  • URLをコピーしました!

2026年7月1日以降の申請から、経営事項審査でのCCUS加点が15点から10点に引き下げられました。すでに施行済みです。ただし同時に新設された「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」で5点が付くため、両方そろえれば従来と同じ15点を維持できます。

つかだ

「去年と同じことをしていたら、点数だけ下がっていた!」
となりかねない重大な改正です!

目次

どこが変わったのか?

「2026年7月〜 経審のCCUS加点がどう変わる?」と題した図。CCUS就業履歴の蓄積に必要な措置は、民間工事を含む全ての建設工事で15点から10点へ、全ての公共工事で10点から5点へ、それぞれ5点分見直された。あわせて「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」が新設され5点。下部に「注意:CCUSを使っているだけで5点減点、という意味ではありません」と記載
加点配分の見直しであって、CCUSの利用そのものが減点されるわけではない。

この改正は令和8年(2026年)2月6日に公布され、令和8年7月1日から施行されています。根拠となるのは令和8年国土交通省告示第262号(建設業法第二十七条の二十三第三項の経営事項審査の項目及び基準を定める件等の一部を改正する告示)と、令和8年国不建第177号(「経営事項審査の事務取扱いについて」の一部改正)です。

適用は令和8年(2026年)7月1日以降の申請から。
今までどおりCCUSを使っているだけでは、点数が5点減ってしまいます!

資料には改正の趣旨も書かれています。

第三次・担い手3法の全面施行を受け、労務費確保等のための取組とCCUSの活用について積極的に推進することにより技能者を大切にする企業を評価する項目を設定するため、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言状況を評価することとした。

国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」

第三次・担い手3法の全面施行を受けて、労務費の確保とCCUSの活用を積極的に進める企業を評価するために自主宣言の項目を新設し、あわせて就業履歴の加点配分を見直したという内容です。

点数の総量は変わっていません。「CCUSを使っているだけ」から「使ったうえで処遇改善も宣言している」へ、評価の重心が移ったと読むのが自然です。

出典:国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年2月6日公布)」

W1の満点は「77点」のまま変わっていない

国土交通省の資料には、改正前と改正後のW評価項目が並べて載っています。そこでW1(建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況)の最高点を見ると、改正前も改正後も77点です。

W1の内訳(抜粋)改正前改正後
建退共の加入状況15点15点
退職一時金もしくは企業年金制度の導入15点15点
法定外労災制度の加入状況15点15点
若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況2点2点
知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況10点10点
ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況5点5点
就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況15点10点
自主宣言制度の宣言の有無(新設)―5点
W1 合計(最高点)77点77点

移動しただけで、総量は減らされていないということが、公式の一覧表からはっきり読み取れます。逆にいえば、自主宣言をしない会社だけが5点を落とす設計です。

失った5点を取り戻す「自主宣言制度」とは

技能者の処遇改善に向けた取り組みについて、必須項目に賛同を表明したうえで宣言する仕組みで、
事業規模や建設業許可の有無にかかわらず申請できます。

つかだ

正式名称は「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」
愛称は「職人いきいき宣言」です。
改正建設業法の全面施行と同じ2025年12月12日に始まりました。

加点の要件は2つだけ

  • 審査基準日が宣言日以降であること
  • 宣言書と誓約書が提出されていること

誓約の内容は、宣言した取り組みを取組開始日以降に「行う」または「行っている」という趣旨のものです。
取組開始日が審査基準日より前なら「行っている」、後なら「行う」という誓約になります。

ここが実務上いちばん大事です。審査基準日(=決算日)より前に宣言していないと、加点されません。決算が終わってから慌てて宣言しても、その期の経審には間に合わないということです。

元請でも協力会社でも加点される

ここは誤解されやすいところです。申請画面の注意事項に、こう明記されています。

自主宣言は、元請事業者・下請事業者・発注者の立場で宣言することができますが、重複して宣言することはできません。なお、元請事業者・下請事業者いずれの立場の宣言でも経営事項審査の加点対象となります。

国土交通省「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」申請の注意事項

協力会社の立場で宣言しても、経審ではきちんと5点が付きます。「元請として直接受注していないから関係ない」ということはありません。

同じW1の中でも、この2つは性格が違います。

就業履歴の加点(10点)自主宣言の加点(5点)
必要な立場元請として直接請け負った工事が必要元請・協力会社どちらでもよい
直接請負が0件のとき加点なし加点される
設備投資カードリーダー・認定システムが必要不要(宣言と誓約のみ)

つまり協力会社としての受注が中心の会社ほど、自主宣言の5点は取りやすいということです。費用もかかりません。

ただし重複して宣言することはできません。元請・協力会社・発注者のどの立場で宣言するかは、あらかじめ社内で決めておいてください。

申請前に知っておきたい2つの落とし穴

注意事項には、あとから効いてくる決まりも書かれています。

「取組開始日」は、いちばん遅い取組に引きずられる

自主宣言の申請した日を「宣言日」とし、各取組の中で開始が最も遅い日を「取組開始日」とします。

国土交通省「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」申請の注意事項

複数の取組を宣言すると、取組開始日は「いちばん遅いもの」に合わせられます。すぐには始められない取組を欲張って入れると、取組開始日が後ろにずれ、加点のタイミングも遅れます。

経審で加点されるには、審査基準日において有効な自主宣言を行っている必要があると注意事項に明記されています。取組開始日は逆算して設計してください。

実施できなかったら「取り下げ」が必要

取組開始日までに、取り組みが実施されていなかった場合は、取り下げをしてください。取り下げを行わない場合、再度の申請が1年間できなくなる場合があります。

国土交通省「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」申請の注意事項

これがいちばん怖い決まりです。宣言したまま取組を始められず、取り下げもしなかった場合、再申請が1年間できなくなることがあります。自主宣言の5点を、まるまる1期分落とすということです。

対策はシンプルで、確実に実施できる取組だけを宣言することです。点数のために背伸びした宣言をすると、かえって点数を失います。

いつまで有効か

宣言の有効期間は、申請日の翌月を起算日として2年経過後の最初の12月末までと定められています。
一度出せば数年間有効ですが、更新を忘れると失効します。

申請してから公開・反映されるまでには一定の時間がかかります。決算日の直前に駆け込むのではなく、数か月前には申請を済ませておくのが安全です。

申請は国土交通省の専用サイトから行います。建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度|宣言の申請

申請の様子

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」の申請情報の入力画面。法人番号(13桁)、会社名(漢字・カナ)、代表者氏名、郵便番号、都道府県を上から順に入力するフォームで、必須項目には赤いアスタリスクが付いている。個人事業主の場合はチェックボックスにチェックを入れる
自主宣言の申請画面。法人番号と会社情報を入力していく。法人格は略称(全角かっこ)で、社名との間は空けない。
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」の申請の注意事項画面。宣言は代表者の名前で行い登録後は企業名と宣言文がポータルサイトに公開されること、元請事業者・下請事業者・発注者のいずれかの立場で宣言でき重複はできないこと、各取組のうち開始が最も遅い日を取組開始日とすること、有効期間は申請日の翌月を起算日として2年経過後の最初の12月末までであることなどが箇条書きで並び、下に確認のチェックボックスと「申請する」ボタンがある
申請前の注意事項。宣言日・取組開始日の定義や有効期間、暴力団排除などの事業者要件がここにまとまっている。

残る10点(就業履歴の加点)の要件

減点されたとはいえ、就業履歴の加点は10点あります。こちらは要件が3つです。

  • CCUS上での現場・契約情報の登録
  • 建設工事に従事する者が直接入力によらない方法でCCUS上に就業履歴を蓄積できる体制の整備
  • 経営事項審査申請時に様式第6号に掲げる誓約書の提出

3つすべてを実施している場合に加点されます。ひとつでも欠けると0点です。

「直接入力によらない方法」がグリーンサイト・Buildeeと直結する

要件②の「直接入力によらない方法」に、注釈が付いています。

就業履歴データ登録標準API連携認定システムにより、入退場履歴を記録できる措置を実施していること等

国土交通省「現場登録及びカードリーダー等設置による加点措置」

つまり手入力で就業履歴を登録しても加点されません。カードリーダーやアプリ、API連携といった、技能者本人の操作で自動的に記録される仕組みが必要です。

なお、仕組みを入れていても技能者と事業者の「関連付け」が切れていると就業履歴は正しく蓄積されません。退職・入社のたびに手続きが必要です。

つかだ

その「認定システム」の一覧に
建設事務がふだん使っているサービスが並んでいます!

認定システム提供事業者
建設サイト・シリーズ(グリーンサイト他)エムシーディースリー(株)
Buildee(株)リバスタ
建レコ建設キャリアアップシステム標準提供
Greenfile.workシェルフィー(株)
ANDPAD(株)アンドパッド
Kizuku/キャリアリンクコムテックス(株)
EasyPass(株)アート

一覧は上記以外にもあります。最新の認定状況はCCUS公式の認定システム一覧で確認してください。

すでにグリーンサイトやBuildeeで入退場管理(通門管理)を動かしている元請は、要件②をすでに満たしている可能性が高いということです。「経審のために新しく何かを買う」必要はないかもしれません。

加点の対象にならない工事もある

審査対象は「審査基準日以前1年以内に発注者から直接請け負った建設工事」ですが、次の3つは除かれます。

日本国内以外の工事

海外工事は対象外です。

建設業法施行令で定める軽微な工事

請負代金が500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満)の工事、建築一式工事のうち面積150平方メートル未満の木造住宅を建設する工事です。

災害応急工事

防災協定に基づく契約、または発注者の指示により実施された工事です。

ただし、審査基準日以前1年のうちに審査対象工事を1件も直接請け負っていない場合は加点されません。元請として直接受注した工事がある会社向けの加点、ということです。

【参考】本改正でCCUS以外の変更点

この改正はCCUS加点だけの話ではありません。資料の冒頭には、改正全体の視点がこう書かれています。

持続可能な建設業に向けた①担い手の育成・確保や、「地域の守り手」としての②災害対応力の強化の取組の努力を適正に評価・後押しするとともに、③建設業許可要件の改正を踏まえた審査項目・基準の見直しを実施。

国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」

経審の点数に直接ひびく変更が、あと2つあります。

社会保険の減点項目(W1-1〜W1-3)が丸ごと削除された

改正前は、雇用保険・健康保険・厚生年金保険がそれぞれ未加入だと1項目あたり▲40点という減点項目がありました。これが3項目とも審査項目から削除されています。

建設業許可の更新期間が5年であることから、令和7年10月1日以降に建設業許可を保有する建設業者は社会保険加入を満たしていることとなる。したがって、経営事項審査の段階において改めて社会保険加入有無を確認する必要性が乏しいことから、建設業者の申請事務効率化の観点も踏まえ、審査対象項目から削除することとした。

国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」

令和2年10月から社会保険加入が建設業許可の要件になり、許可の更新期間が5年なので令和7年10月以降はどの許可業者も加入済みのはず、という理屈です。加入している会社にとっては書類が1つ減る改正で、実務的にはありがたい変更でした。

この削除によって、W(その他審査項目)の最低点が▲210点から▲90点に、あわせて総合評定値Pの最低点も163点に変わっています。満点(237点)は変わりません。

建設機械の加点対象に2機種が追加(W7)

W7「建設機械の保有状況」の加点対象に、不整地運搬車とアスファルト・フィニッシャが追加されました。

今般、現在の加点対象機械に加え、災害時における一定の活用実績が確認され、かつ、令和6年能登半島地震において活用実績が確認された「不整地運搬車」、「アスファルト・フィニッシャ」を評価することとした。

国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」

W7は保有する建設機械の台数に応じて最大15点(14台以上保有する場合)の評価です。対象機種が増えたということは、すでに持っている機械が新たに加点対象になっている可能性があるということ。自社の保有機械を一度あらためて棚卸ししてみる価値があります。

加点には自動車検査・特定自主検査・製造時検査または性能検査のいずれかを受けていることが前提になります。検査証の有効期限が切れていると、持っていても加点されません。

15点を維持するために、いま何をするか

STEP
次の決算日(審査基準日)を確認する

自主宣言の加点は「審査基準日が宣言日以降」が条件です。まず自社の決算日を押さえ、そこから逆算します。

STEP
自主宣言を申請する(決算日より前に)

国土交通省の専用サイトから申請します。反映までに時間がかかるので、決算日の直前ではなく数か月前に済ませておきます。

宣言の必須項目に賛同できるかを社内で確認してから進めてください。宣言した取り組みは誓約の対象になります。実施できなかった場合は取組開始日までに取り下げが必要で、放置すると再申請が1年間できなくなることがあります。

STEP
就業履歴の3要件が揃っているか点検する

・現場・契約情報をCCUSに登録しているか。
・カードリーダーや認定システムで入退場履歴を記録しているか。
・手入力に頼っていないか。
この3点を現場ごとに確認します。

「全ての建設工事」で10点、「全ての公共工事」で5点という区分なので、民間工事も含めて漏れなく実施できているかが分かれ目になります。

STEP
経審申請時に2種類の書類を出す

就業履歴の加点には様式第6号の誓約書、自主宣言の加点には宣言書の写しと誓約書が必要です。
書類の出し忘れで加点されないケースがあるので、チェックリストに入れておいてください。

まとめ

  • 令和8年(2026年)7月1日以降の申請から、CCUSの就業履歴に関する加点が15点→10点(公共工事のみは10点→5点)に引き下げ
  • 同時に「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」で5点が新設。両方で従来と同じ15点
  • 自主宣言の加点条件は「審査基準日が宣言日以降」+「宣言書と誓約書の提出」。決算後に宣言しても間に合わない
  • 自主宣言は元請・協力会社どちらの立場でも経審の加点対象。ただし重複しての宣言は不可
  • 取組開始日はいちばん遅い取組に合わせられる。実施できなければ取り下げないと再申請が1年間できなくなる場合がある
  • 就業履歴の加点は①現場・契約情報の登録 ②直接入力によらない蓄積 ③様式第6号の誓約書の3つすべてが必要
  • グリーンサイトもBuildeeも認定システムに入っているので、入退場管理を動かしていれば要件②は満たせる可能性が高い
  • 軽微な工事・海外工事・災害応急工事は審査対象外。直接請負が1件もない場合は加点なし
  • 同じ改正で社会保険の減点項目(各▲40点)が削除され、建設機械の加点対象に不整地運搬車・アスファルト・フィニッシャが追加された
つかだ

「CCUSは登録して終わり」ではなく、現場で履歴が積み上がっているかが問われる改正だと感じます!

就業履歴が積み上がれば技能者のレベルが上がり、レベルに応じた手当を出す元請も増えています。会社の点数と技能者の待遇は、同じ仕組みの上に乗っています。

出典:国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年2月6日公布)」/同「〈令和8年7月1日施行〉経営事項審査の主な改正事項」(PDF)/国土交通省「『建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度』の宣言の有無(新設)」/同「現場登録及びカードリーダー等設置による加点措置」/同「公共工事におけるインセンティブ」/建設キャリアアップシステム「就業履歴データ登録標準API連携認定システム」
※点数や要件は改正される場合があります。申請前に必ず最新の資料と、各都道府県の経審の手引きをご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメントお待ちしてます!

コメントする

CAPTCHA


目次